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画像引用: 厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要」14p

両立支援等助成金の再雇用者評価処遇コースとは、どのような助成金なのか?

「雇用関係助成金」の1つ「両立支援等助成金」は、仕事と育児、仕事と介護を両立させるために制度を導入した企業などを応援するための制度です。

ですが、育休制度や介護休業制度、育児や介護のための所定労働時間の短縮等の措置をとっていたとしても、その制度を利用せずに退職する労働者も少なからず存在します。

この「再雇用者評価処遇コース」は、そのように育児や介護などの理由で退職した労働者を、再雇用することで助成される制度です。

そこで今回は、この「再雇用者評価処遇コース」という助成金制度について、ご紹介します。

再雇用者評価処遇コースの目的は?

「両立支援等助成金」の1つ「再雇用者評価処遇コース」の目的は、

「妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転職又は転居を伴う転職を理由として退職した者が就業できるようになったときに復職する際、従来の勤務経験、能力が適切に評価され、配置・処遇がされる再雇用制度を導入し、再雇用を希望する旨の申出をしていた者を採用した事業主に対して助成金を支給し、企業等の生産性向上に資する再雇用の促進を目的とする。」

引用:厚生労働省 両立支援等助成金支給要領

と、支給要領に書かれています。

支給対象となる事業者と労働者

では、この「再雇用者評価処遇コース」の支給対象となる「再雇用者」とは、どのような労働者なのでしょうか?また、対象となる事業主の要件はどのようなものなのでしょうか?

ここでは、支給対象となる要件についてご紹介します。

支給対象となる事業者

助成金の支給対象となる事業主は、以下の要件をすべて満たす事業主です。

  1. 「雇用関係助成金」の共通要領にある支給要件に当てはまること
  2. 以下の3項目のいずれにも該当する再雇用制度について明文化し、かつ労働者に対して周知していること
    1. 当該制度となる退職理由として、申請に係る退職事由が明記されていること
      1. 退職事由:妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤又は転居を伴う転職
    2. 当該制度の対象となる年齢について、定年を下回る制限を設けていないこと
    3. 当該制度対象者を再雇用する場合には、退職前の勤務実績等を評価し、処遇の決定に反映させることを明記していること
  3. 2番の再雇用制度の施工後、支給対象となる労働者を期間の定めのない雇用契約により採用し、申請までの間、雇用保険被保険者として6か月以上継続して雇用していること
  4. 以下のすべての制度を労働協約又は就業規則に規定していること。
    1. 育児・介護休業法第2条第1号に規定する育児休業
    2. 同法第23条第1項に規定する育児のための所定労働時間の短縮措置
    3. 同法第2条第2号に規定する介護休業
    4. 同法第23条第3項に規定する介護のための所定労働時間の短縮等の措置

支給要件の詳細は、支給要領で確認できます。

支給対象となる労働者

「再雇用者評価処遇コース」の対象となる労働者は、以下の要件すべてに該当する必要があります。

  1. 上記支給対象事業主が雇用する雇用保険被保険者であり、再雇用制度施行後又は改正後に当該制度に基づき採用された者。
  2. 妊娠、出産、育児、介護又は配偶差の転勤又は転居を伴う転職のいずれかを理由として、対象事業主又は関連事業主の事業所を退職した者であること。
  3. 支給対象事業主又は関連事業主の事業所を退職した日の前日において、当該事業主等の雇用保険被保険者として継続して雇用されていたこと。
  4. 再雇用に係る採用日において、当該退職の日の翌日から起算して原則1年以上が経過していること。
    1. ただし、退職事由が消滅した場合はこの限りではない。
  5. 期間の定めのない雇用契約を締結し、6か月以上雇用保険被保険者として、当該契約に基づき支給申請日まで継続して雇用されていること。
  6. 以下に該当しない者であること。
    1. 退職後、再雇用に係る採用日の前日までに対象事業主又は関連事業主と雇用、請負、委任の関係にあった、又は、出向、派遣、請負、委任の関係により当該事業主等の事業所において終了していた。
    2. 退職後、再雇用に係る採用日の前日までに、対象事業主と資本的・経済的・組織的関連性等から見て密接な関係にある次のいずれかに該当する事業主に雇用されていた。
      1. 当該事業主と対象事業主のいずれか一方の発行済株式数又は出資の総額に占める他方の所有株式数又は出資の割合が5割を超える。
      2. 代表者が同一又は取締役を兼務している者がいずれかの取締役会の過半数を占めている。
    3. 対象事業主の代表者又は取締役の3親等以内の親族。
    4. 当該事業主等の事業所を退職する際、妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤又は転居を伴う転職及びこれらの事由に基づく法律上の休業又は勤務制度の利用等を理由として、解雇された、または退職勧奨その他不利益な取り扱いを受けた。

これら要件の詳細は、支給要領で確認できます。

不支給の要件

上記支給要件を満たす事業主であっても、以下の要件の1つでも該当する場合は、助成金は支給されません。

  1. 「雇用関係助成金」の共通要領にある不支給要件に該当する場合
  2. 対象労働者を採用した日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、対象労働者を雇い入れた事業所において、雇用保険被保険者を事業主都合によって解雇したことがある場合
  3. 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律、及び女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の重大な違反があることにより、当該事業主に助成金を支給することが適切でないと認められる場合
  4. 支給申請時点で育児・介護休業法に違反し、同法第56条に基づく助言又は指導を受けたが是正していない場合
  5. 対象労働者に対して、法令及び就業規則に基づく賃金の全額が支払われていない場合

この不支給要件は、1つでも該当すると助成金の支給は無くなってしまいます。法律を順守することは勿論、対象労働者の雇用条件に付いても不利益のないようにしておきましょう。

不支給要件の詳細については、支給要領で確認できます。

支給申請と支給額

ここからは、支給申請と支給額についてご説明します。

支給申請

この「再雇用者評価処遇コース」の申請は対象となる労働者を再雇用してから2回申請することが出来ます。

1回目の申請は、対象となる労働者の再雇用した採用日から起算して6か月を経過する日の翌日から起算して2か月以内に行ってください。

2回目の申請は、1回目の申請対象となる再雇用者を採用した日の翌日から起算して1年を経過する日の翌日から2か月以内に行う必要があります。

ただし、これら再雇用は期間の定めのない雇用契約の場合です。有期雇用契約の場合は、無期雇用契約に切り替わった日が起算日となります。

申請は、以下にご紹介する申請書類と添付書類を揃えて、管轄の労働局雇用環境・均等部(室)へ提出しましょう。

申請に必要な書類

申請書類と添付書類は以下の通りです。

【申請書類】

  1. 共通要領 様式第1号「支給要件確認申立書」・・・必須書類
  2. 支払方法・受取人住所届
    • 既に提出し、登録されている事業主は不要
  3. 共通要領 様式第2号「生産性要件算定シート」
    • 生産性要件を満たし、生産性要件で申請する場合のみ必要
  4. 様式第1号①「両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)支給申請書」・・・必須書類
  5. 様式第1号②「再雇用者評価処遇コース 詳細」・・・必須書類
  6. 様式第2号「提出を省略する書類についての確認書(再雇用者評価処遇コース)」
    • 2回目以降の申請時に提出すると、一部添付書類を省略できる
  7. 様式第3号「再雇用に係る申立書」
    • 上記「対象労働者」の4番の 1.に該当する場合のみ提出
  8. 様式第4号「給与を適切に支払っている申立書」・・・必須書類

1番~3番の書類は共通要領様式となりますので、厚生労働省HP「雇用関係助成金に共通の要件等」というページからダウンロードできます。

4番以降の書類は厚生労働省HP「事業主の方への給付金のご案内」というページからダウンロードできます。

提出するこれらの書類の内、6番の書類は、すでに申請をしたことがある事業主で、以下に紹介する添付書類の一部について変更がない場合、省略することが出来る申請書類です。

特に、この「再雇用者評価処遇コース」は1人の労働者につき2回申請することが出来ますので、その都度書類を準備するのは大変ですよね。この6番の「提出を省略する書類についての確認書」を活用して、添付書類を減らしましょう。

【添付書類】

  1. 労働協約又は就業規則及び関連する労使協定
  2. 対象労働者の再雇用に係る採用時期及び、期間の定めのない雇用契約に係る雇用契約書、又は労働条件通知書等労働条件が確認できる書類
  3. 対象労働者の再雇用に係る採用後、期間の定めのない雇用契約を締結し、期間の定めのない雇用契約として6か月間の就業実績等が確認できる書類
    1. 対象労働者の所定労働日又は所定労働日数が確認できる書類
    2. 対象労働者の6か月間の就業実績が確認できる書類
    3. 対象労働者の6か月間の賃金支払い実績が確認できる書類
  4. 申請事業主が、対象労働者が退職した事業所の関連事業主である場合は、これを証明する資料

以上、添付書類についての詳細は、支給要領で確認できます。

支給額

助成金の支給は、1事業主につき対象労働者5人までです。また、1人の対象労働者に対する支給申請は2回までとし、2回目は1回目の申請で支給を受けた対象労働者のみ申請できます。

申請回数 中小企業 中小企業以外
支給額 生産性要件 支給額 生産性要件
再雇用1人面 1回目 190,000円 240,000円 142,500円 180,000円
2回目 190,000円 240,000円 142,500円 180,000円
再雇用2~5人目 1回目 142,500円 180,000円 95,000円 120,000円
2回目 142,500円 180,000円 95,000円 120,000円

この表の生産性要件とは、共通要領6pの「0302生産性要件」に該当し、必要な書類を提出した場合に支給される助成金です。生産性要件を満たした場合、増額されている「生産性要件」の方の助成金額が支給されます。

まとめ

せっかく資格を持って設計士や施工管理、デザイナーなどの専門職として働いていたとしても、配偶者の都合や家族の都合など、やむを得ず退職をしなければならない労働者がいます。

企業にとっても、この様な人材の退職は一時的とはいえ、生産性の低下につながる可能性もあり、デメリットと言えます。

また、この様な労働者の多くは仕事に復帰できる状況になると、自分の持つ資格や知識、経験を生かした仕事に再就職したいと考えます。中には、正規雇用でフルタイム勤務を希望する方も少なくありません。

そのような労働者の雇用を支えることを目的とした助成金制度が、「再雇用者評価処遇コース」なのです。

建築業界の場合、他の業種に比べ実は退職者が少なく、この様な制度の利用はもしかしたら必要ないのかもしれません。

ですが、建築業界全体の労働人口が減少している今、優秀な人材を確保していくことは、業界全体を支えるうえで重要なことではないでしょうか?

ぜひ、この制度を活用して退職した人材の再雇用を検討してみてはいかがでしょうか?

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