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両立支援等助成金とは、どのような助成金なのか?

厚生労働省が実施している事業主向けの助成金制度「雇用関係助成金」の1つでもある「両立支援等助成金」は、その名の通り、労働者の職業生活と家庭生活の両立を支援することを目的とした助成金制度です。

様々な家庭事情により働き続けることが難しい労働者の雇用の安定を図るとともに、事業所としても優秀な人材の雇用確保と生産性の低下を防ぐことが、この「両立支援等助成金」という制度の目的です。

では、どのようなコースがあり、誰が受給できるのかということについてご紹介します。

両立支援等助成金のコース別趣旨

「両立支援等助成金」には、全部で6つのコースがあります。この6つのコースがどのようなものなのか、その趣旨をご紹介していきましょう。

出生時両立支援コース

厚生労働省が配布している支給要領「12両立支援等助成金(1)出生時両立支援コース」によれば、

「男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土づくりに取り組み、男性労働者にその養育する子の出征後8週間以内に開始する育児休業を利用させた事業主及び育児目的休暇を導入し男性労働者に利用させた事業主に対して助成金を支給することにより、職業生活と家庭生活の両立支援に関する事業主の取組を促し、もってその労働者の雇用の安定に資することを目的とする」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(1)出生時両立支援コース

とあります。

現在多くの職場で男性の育休取得が求められているにもかかわらず、その職場の風土によっては育休が取りづらい環境にあり、男性の育休取得の実績が上がらないのが実情です。

この「出生時両立支援コース」は、職場の風土を男性が育休を取りやすい環境に変える取組を行い、また、男性が育児を目的とした休暇をとれる制度を導入して、男性の育休取得を後押しする事業主に対し助成を行うことで、男性の育休取得の実績を上げるための制度です。

介護離職防止支援コース

同じく支給要領「12両立支援等助成金(2)介護離職防止支援コース」によれば、

「仕事と介護の両立支援の推進に資する職場環境整備に取り組むとともに、介護支援プランの作成及び同ブランに基づく措置を実施し、介護休業の円滑な取得及び職場復帰の取組、又は仕事と介護との両立に資する制度の利用を円滑にするための取組を行った中小企業事業主に対して助成金を支給することにより、職業生活と家庭生活の両立支援に関する取り組みを促し、もって労働者の雇用の安定に資することを目的とする。」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(2)介護離職防止支援コース

とあります。

家族に要介護の方がいた場合、その家族の中で他に介護が出来る方がいなければ、やむを得ず仕事を辞めて介護をする方もいます。

そのような方の多くは、当然ながら介護をしている間にキャリアアップも出来ず、いざ、再就職をしようと思ったときには時代に追いつけず、元の仕事に戻ることも新たな仕事に就くことも難しい状況に置かれます。

企業側としても、介護による離職は優秀な人材を手放すことに他ならず、メリットはありません。

この「介護離職防止支援コース」は、介護のために仕事を辞めなくて済むように、介護休業や介護と仕事を両立できるよう、社内の制度化を実施し、労働者の雇用の安定を目的とした制度です。

育児休業等支援コース

同じく支給要領「12両立支援等助成金(3)育児休業等支援コース」によれば、

「働き続けながら子の養育を行う労働者の雇用の継続を図るため、育児休業の円滑な取得及び職場復帰に資する取り組みを行った中小企業事業主に対して、助成金を支給することにより、職業生活と家庭生活の両立支援に関する取り組みを促し、もってその労働者の雇用の安定に資することを目的とする。」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(3)育児休業等支援コース

とあります。

働きながら子供を育てようとすると、夫婦のどちらかが仕事を辞めるか保育施設などに子供を預けて育児と仕事の両立をするしか方法がありません。

ですが、地域によっては保育施設の数が足りず、子供を預けることが出来ないために、仕事を辞めざるを得ない労働者も少なくありません。

運よく保育施設が見つかり働けるようになったとしても、すでに仕事を辞めてしまっている方の多くは、元の職場に戻ることが出来ず、非正規雇用で働かざるを得ない女性も多くいるのです。

この様な実情は、先ほどの介護の問題と同様、企業にとっても優秀な人材を確保できないというデメリットを招いてしまいます。

この「育児休業等支援コース」は、子育てと仕事を両立できるように、育休制度を整備するだけでなく育休終了後に職場に復帰できる制度も整備することで、労働者の雇用の安定と企業が優秀な人材を確保できるようにした制度です。

再雇用者評価処遇コース

同様に支給要領「12両立支援等助成金(4)再雇用者評価処遇コース」によれば、

「妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤又は転居を伴う転勤を理由として退職した者が就業できるようになったときに復帰する際、従来の勤務経験、能力が適切に評価され、配置・処遇がされる再雇用制度を導入し、再雇用を希望する旨の申出をしていた者を採用した事業主に対して助成金を支給し、企業等の生産性の向上に資する再雇用の促進を目的とする。」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(4)再雇用者評価処遇コース

とあります。

育児休業制度や、先にご紹介している介護と仕事の両立をする取組などがなされる前に、妊娠・出産・育児・介護などを理由として退職した方の多くは、元の職場に戻ることも出来ず、

女性労働者の中にはパートや派遣などといった非正規雇用・短期労働で仕事をする方も少なくありません。

男性労働者であっても職場復帰は望めず、新たな仕事を見つけることも難しく、結果として有期雇用労働者等として働かざるを得ないという現状があるのです。

この「再雇用者評価処遇コース」は、家族の事情等により仕事を辞めなければならなかった労働者が、再度仕事が出来る状況になった時に、元の職場に復帰できるように再雇用制度を導入して、

労働者の雇用の安定を図るとともに、企業側でも優秀な人材を確保することを目的とした制度です。

女性活躍加速化コース

こちらも同様に支給要領「12両立支援等助成金(5)女性活躍加速化コース」によれば、

「女性労働者の能力の発揮及び雇用の安定に資するため、自社の女性の活躍の状況を把握し、男性と比べて女性の活躍に関し改善すべき事情がある場合に、当該事情の解消に向けた目標を掲げ、女性が活躍しやすい職場環境の整備等に取り組み、その結果、当該目標を達成した中小企業事業主に対して、助成金を支給する」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(5)女性活躍加速化コース

とあります。

毎年「女性活躍加速のための重点方針」が発表されています。

それによれば、あらゆる分野における女性の活躍などをうたい、「一般企業だけでなく、医療現場、公務員、政治などにも女性の活躍の場を」として、様々な方針を打ち出しています。

しかしながら、いまだに多くの職場で女性に対する差別が生じているのが現状です。

建築業界も女性の進出が遅れている業界の1つであり、いまだ男性優位な業界であることに変わりはありません。

この「女性活躍促進化コース」は、そんな男性優位な現状を変え、多くの女性も男性と同じように活躍できる職場環境を整えることを目的とした制度です。

事業所内保育施設コース

同様に支給要領「12両立支援等助成金(6)事業所内保育施設コース」によれば、

「自ら雇用する労働者(事業主団体にあっては、団体を構成する事業主が雇用する労働者。以下同じ)の子の保育を行うために、一定の基準を満たす事業所内保育施設の設置、運営、増築又は建て替えを行った事業主、共同事業主または事業主団体(以下「事業主等」という。)に対する助成金の支給により、職業生活と家庭生活の両立支援に対する事業主の取組を促し、もってその労働者の雇用の安定に資することを目的とする。」

引用:厚生労働省 支給要領「12両立支援等助成金(6)事業所内保育施設コース

とあります。

未就学児童を持つ親が仕事をするには、子供を預ける場所が必要となります。

しかしながら、保育施設の不足という問題が起きており、企業としても雇用する労働者の雇用継続を維持したくても出来ないという問題が起きています。

この「事業所内保育施設コース」は、事業所内に保育施設を作ることで未就学児童を抱える労働者に安心して仕事が出来る環境を与えるとともに、事業所としても優秀な人材を確保し続けるということを目的とした制度です。

全コース共通の要件

この「両立支援等助成金」で助成金を受給するには、どのような要件があるのでしょうか?

ここでは、厚生労働省が実施している「雇用関係助成金」すべてに共通する要件をご紹介します。

「両立支援等助成金」それぞれのコース独自の要件は、別途コース紹介記事内でご説明します。

受給できる事業主とは?

厚生労働省が実施している助成金制度で助成金を受給するには、最低限下記の要件を満たしている必要があります。

  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
    • 雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること
  • 支給のための審査に協力すること
    • 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
    • 支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
    • 管轄労働局等の実地調査を受け入れること など
  • 申請期間内に申請を行うこと

引用:「令和2年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」 9p

基本的なことですが、これらの要件を満たしていない場合は、いくらコース別の要件を満たしていても助成金を受給することは出来ません。

受給できない事業主とは?

厚生労働省の助成金を受給するためには、支給要件を満たしていなければなりません。

しかし、支給要件をすべて満たしていたとしても、以下9つの要件のどれか1つにでも該当すると助成金は支給されません。

  • 平成31年4月1日以降に「雇用関係助成金」を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定日から5年を経過していない事業主。
    • 平成31年3月31日以前に「雇用関係助成金」を申請し、不正支給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取り消し日から3年を経過していない所業主
    • 支給決定取消日から5年または3年を経過した場合であっても、不正受給による請求金を納付していない事業主は、時効が完成している場合を除き、納付日まで申請できません。
  • 平成31年4月1日以降に申請した「雇用関係助成金」について、申請事業主の役員等に他の事業主の役員等として不正受給に関与した役員等がいる場合は、申請することが出来ません。
  • 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主
    • 支給申請日の翌日から起算して2ヶ月以内に納付を行った事業主を除く
  • 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等の営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主
  • 事業主または事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合
  • 事業主または事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的な破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合
  • 支給申請日又は支給決定日の時点で倒産している事業主
  • 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名および役員名等の公表について予め承諾していない事業主

引用:「令和2年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」 9p

不正出来ない事業主の多くは、過去に不正受給していたり、法令違反が有ったり、反社会世力と関係が有ったりと、誰が見ても真っ当でない企業の事業主です。

つまり、普通の中小企業事業主であれば、性風俗系の営業をしている事業主以外はほぼ支給対象となります。

申請時に留意すること

前項でご紹介した「受給できる事業主」と「受給できない事業主」の要件のほかにも受給できなくなる場合があります。

例えば、支給申請をする際に協力をしてもらう弁護士や社会労務士などです。

彼らに支給申請の代理をしてもらった場合、いくら事業主が支給対象となる条件を備えていたとしても、その代理を頼んだ弁護士・社会労務士が過去に不正申請に関わっていた場合は、支給対象とならないことがあります。

また、支給審査は提出された書類によって行われます。この書類に不備が合った場合、不支給決定となることもあります。

その他にも、申請に際し留意事項がありますので、申請前に厚生労働省発行の「令和2年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」をご確認ください。

まとめ

厚生労働省が実施している「両立支援等助成金」は、様々な事情で働き続けることが困難となった労働者の雇用の安定を図るため、また、事業所が優秀な人材の雇用維持を図るため、労働者の職業生活と家庭生活の両立のための取組を実施する事業主等に対して助成する制度です。

令和2年度は特に、COVID-19の影響もあり、長期臨時休校している小学校等も多く、そのため休業を余儀なくされている労働者も少なくありません。

この「両立支援等助成金」を使って、労働者の職業生活と家庭生活の両立を支援してはいかがでしょうか?

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