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キャリアアップ助成金の健康診断制定コースとは、どのような助成金なのか?

従業員に対する健康診断は、労働安全衛生規則第43条・第44条の規定にのっとって行われます。

これらの規定では、「常時使用する労働者に対して行う」と限定されており、いわゆる有期雇用労働者等の一部はその対象となっていません。

つまり、一部の労働者の健康維持は事業主に義務付けられているだけで、全ての労働者の健康維持は義務付けられていないのです。

ですが、事業所内のすべての労働者の健康を維持することは、実は事業所内の生産性に大きく関係しているのです。

ここでは、労働者の健康維持を図るために設けられている「キャリアアップ助成金」の「健康診断制定コース」という助成金制度についてご紹介します。

健康診断制定コースの目的

雇用している労働者に対し健康診断を実施することと、事業所内の生産性にはどのような関係があるのか、という点も含め、まずは「健康診断制定コース」の目的と概要についてご紹介します。

目的

建築現場で働く労働者の多くは、工事期間のみ雇用される有期雇用労働者等です。

そして、事業主はこの様な方々に対し、健康診断を受信させる義務を負っていません。ということは、彼らは自分自身で健康維持に気を付けなければならないのです。

ですが、有期雇用労働者等の多くは、安定した収入が見込めず、その為自分から積極的に健康診断を受診したり人間ドックを受けたりといったことをしません。

ということは、知らないうちに癌や肝臓病など重篤になり得る病気を抱えている可能性もあるのです。そして、この様な病気を持っている方が、そのことに気づかないまま工事現場で働いていたら?

仕事中に急に体調が悪くなり、足場を踏み外すかもしれませんし、建材を抱えたまま倒れてしまうかもしれません。

このような事態は、特に事故に気を付けなければならない建築現場においては、絶対に避けなければなりませんよね。

「健康診断制定コース」は、このような事業主が義務付けていない有期雇用労働者等に、定期健康診断や雇入時健康診断、人間ドックを実施することで、事業所内の従業員の健康を維持することが目的です。

建設業においては、これによって工事現場での事故防止にもつながり、結果として生産性の低下を防ぐことも出来るのです。

概要

「健康診断制定コース」では、「労働協約または就業規則などで、雇用する有期雇用労働者等のうち、事業主に実施が義務付けられていない有期雇用労働者等に雇入時健康診断、もしくは定期健康診断を実施する制度、

またはその雇用する有期雇用労働者等に人間ドックを実施する制度を新たに設け、延べ4人以上に実施すること」としています。

つまり、4人以上の有期雇用労働者等に対し、健康診断等を実施するといった規定を新たに設け、実際に実施することを求めています。

支給対象は?

では、「健康診断制定コース」で助成金を受給されるには、何をすればいいのでしょうか?また、対象となる事業主や労働者とは、どのような事業主・労働者なのでしょうか?

対象となる事業主は?

「健康診断制定コース」の対象となる事業主は、以下の8つの要件全てに該当する事業主です。

  1. 「キャリアアップ計画書」に記載されたキャリアアップ計画期間中に、事業主に実施が義務付けられていない有期雇用労働者等を対象とする雇入時健康診断制度もしくは定期健康診断制度、または有期雇用労働者等を対象とする人間ドック制度を労働協約または就業規則に新たに規定した事業主であること
  2. 1.の制度に基づき、キャリアアップ計画期間中に、雇用する有期雇用労働者等延べ4人以上に実施した事業主であること
  3. 支給申請日において当該健康診断制度を継続して運用している事業主であること
  4. 当該雇入時健康診断制度または定期健康診断制度を規定した場合については、対象労働者に実施した当該健康診断の費用の全額を負担することを、労働協約または就業規則に規定し、実際に費用の全額を健康診断実施機関または対象労働者に対して直接負担した事業主であること
  5. 当該人間ドック制度を規定した場合については、対象労働者に実施した当該人間ドック制度の費用の半額以上を負担することを労働協約または就業規則に規定し、実際に費用の半額以上を人間ドック実施機関または対象労働者に対して直接負担した事業主であること
  6. 当該健康診断制度を実施するにあたり、対象者を限定するなど、実施するための要件がある場合は、当該要件を労働協約または就業規則に規定している事業主であること
    • 合理的な理由がある要件であること
  7. 健康診断制度を実施した事実の有無について、管轄労働局長が実施機関に対して確認を行う際に協力することについて、承諾している事業主であること
  8. 生産性要件を満たした場合の支給額の適用を受ける場合にあっては、当該生産性要件を満たした事業主であること

対象となる労働者は?

「健康診断制定コース」の対象となる労働者は、以下の4つの要件全てに該当する労働者です。

  1. 支給対象事業主に雇用されている有期雇用労働者等であること
    • 以下、2項目いずれにも該当する場合は対象外
      • 期間の定めのない労働契約により使用されている者
        • 期間の定めのある労働契約でも、その契約期間が1年以上ある場合を含む
        • 期間の定めのある労働契約でも、契約更新によって1年以上使用されている者も含む
      • その者の1週間の労働時間数が当該事業所において同種の業務に従事する労働者の1週間の所定労働時間数の3 / 4以上の者
  2. 雇入時健康診断若しくは定期健康診断または人間ドックを受診する日に、当該対象適用事業所において、雇用保険被保険者であること
  3. 健康診断制度を新たに設け実施した事業所の事業主又は、取締役の3親等以内の親族以外の者であること
  4. 支給申請日において離職していない者であること
    • 本人の都合による離職や、本人の責めに帰すべき理由による解雇は含まない
    • 天災その他やむを得ない理由のために事業継続が困難となった場合の解雇も含まない

何をすれば支給される?

対象事業主、対象労働者の部分でも書いている通り、有期雇用労働者等に健康診断を受診させることを労働協約または就業規則に規定し、さらに4人以上の対象労働者に実施することで、助成金が支給されます。

では、「健康診断制定コース」で規定されている健康診断や人間ドックとはどのようなものなのでしょうか?

雇入時健康診断とは、その名の通り、労働者を雇用する際に実施する健康診断です。また、定期健康診断とは、毎年定期的に実施される健康診断のことです。

これらの健康診断によって、労働者の健康状態を把握し、管理することが出来ます。また、人間ドックは、以下のいずれかの項目について行う健康診断のことです。

  • 基本健康診断
    • 問診、身体計測、理学的検査、血圧測定
    • 検尿(尿中の糖、たんぱく、潜血の有無の検査
    • 循環器検査(血液化学検査)
    • 肝機能検査
    • 腎機能検査
    • 血糖検査
  • 胃がん検診
  • 子宮がん検診
  • 肺がん検診
  • 乳がん検診
  • 大腸がん検診
  • 歯周疾患健診
  • 骨粗鬆症健診

健康診断等を実施しても、以下の場合には支給対象となりません。

  • 既に対象となりうる有期雇用労働者等への健康診断制度を導入している場合に、当該健康診断制度の対象労働者の範囲を拡大した場合
  • 既に対象となり得る有期雇用労働者等への健康診断制度を導入している場合に、当該健康診断制度の費用の全額負担規程のみを設けた場合

支給申請と支給額

次は、支給申請についてご紹介します。

「キャリアアップ助成金」の申請では、各コースに係る取組を実施する前に、必ず「キャリアアップ計画書」を管轄労働局長に提出し認定を受けなければなりません。

ですので、まずは「キャリアアップ計画書」を作成しましょう。

支給申請期間


画像引用:厚生労働省 キャリアアップ助成金パンフレット 41p

支給申請期間は、対象となる労働者述べ4人以上に健康診断を実施した日を含む月の分の賃金を支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内です。

申請書類と添付書類

支給申請書類と添付書類は、以下の通りです。これらの申請書類は、厚生労働省のHPからダウンロードできます。

また、以下のリストにある「共通要領」の様式は、「キャリアアップ助成金」の申請書類とは別のページにあります。

【キャリアアップ計画書】

  • 様式第1号「キャリアアップ計画書」
  • 様式第2号「キャリアアップ計画書(変更届)」

変更届は、計画に変更がある場合提出します。

【申請書類】

  • 様式第3号「キャリアアップ助成金支給申請書」
  • 様式第3号別添様式3「健康診断制度コース内訳」

【添付書類】

  • 共通要領 様式第1号「支給要件確認申立書」
  • 支払方法・受取人住所届
  • 管轄労働局長の認定を受けた「キャリアアップ計画書」の写し
  • 健康診断制度が規定されている労働協約または就業規則および健康診断制度が規定される前の労働協約または就業規則
    • 常時10人未満の労働者を使用する事業主で、健康診断制度を規定する前の労働協約または就業規則を作成していなかった場合は、その旨を記載した申立書
  • 実施機関の領収書
    • 費用が生じていることが確認できるものに限る
    • 対象労働者が健康診断を実施したことおよび実施日が確認できない領収書の場合、健康診断結果表等
    • 人間ドック受診の場合は、受信項目の分かる書類
  • 対象労働者の雇用契約書等
    • 必要に応じて労働者本人の署名等が分かる雇用契約書等
  • 対象労働者の労働基準法第108条に定める賃金台帳または船員法第58条の2に定める報酬支払簿
    • 対象労働者の健康診断実施日を含む月の分
  • 中小企業事業主である場合、中小企業事業主であることを確認できる書類
    • 企業の資本の額または出資の総額により中小企業事業主に該当する場合
      • 登記事項証明書、資本の額又は出資の総額を記載した書類等
    • 企業全体の常時雇用する労働者の数により中小企業事業主に該当する場合
      • 様式第4号「事業所確認表」
  • 生産性要件に係る支給申請の場合
    • 共通要領 様式第2号「生産性要件算定シート」
    • 算定の根拠となる証拠書類
      • 損益計算書、総勘定元帳、確定申告書Bの青色申告決算書、収支内訳書 等

その他、労働局長が必要と認める書類の提出を求められることがあります。

また、健康診断の実施が提出書類だけでは確認が難しいと判断された場合、実施期間に対して健康診断実施の有無を紹介することがあります。

支給額

支給額は、以下の通りです。生産性の向上以外の加算要件はありません。

  • 中小企業等:1事業所当たり380,000円(生産性要件:480,000円)
  • 大企業:1事業所当たり285,000円(生産性要件:360,000円)

支給は、1事業所当たり1回のみです。

まとめ

「キャリアアップ助成金」の「健康診断制定コース」は、事業主に義務化されていない有期雇用労働者等に対して健康診断等を実施することで、労働者の健康管理・健康維持を図り、事業所内の生産性向上につなげることが目的です。

この助成金制度を使って、事業所内の労働者の健康を維持し、生産性の向上に役立てましょう。

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