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鉄筋コンクリートの特徴【メリットとデメリット】

鉄筋コンクリート構造は、防⾳性、耐⽕性、耐久性、断熱性に優れており、鉄⾻造と並んでオフィスやマンション、学校、病院などで幅広い⽤途に使われています。

ここでは鉄筋コンクリートの特徴について説明しましょう。

鉄筋コンクリートの概要

8階建てのRC造庁舎 国交省HPより

建築の構造は、⼤きく鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄⾻造(S造)、木造の3つに分けられます。

この中でも鉄筋コンクリートは、建築、土木でよく使用する材料です。建築では低層から⾼層まで、オフィスやマンション、公共施設まで幅ひろく使われています。

では、鉄筋コンクリートとは一体何なのか、見ていきましょう。

鉄筋コンクリート造(RC造)とは

鉄筋コンクリート造とは、組み⽴てられた鉄筋( Reinforecement) の外側に型枠を造り、その中にコンクリート(Concrete)を流し込んで固めた構造です。圧縮⼒に強いコンクリートと引張⼒に強い鉄筋を組み合わせることにより、強い抵抗⼒を持つ構造ができます。

鉄筋コンクリート造はRC造とも呼ばれています。これは、英語のReinforced Concrete(補強されたコンクリート)の頭⽂字をとってRC造としたものです。

ちなみに鉄⾻造はS造とも呼ばれてます。Sは(Steel)の頭⽂字からとっています。

次は、鉄筋コンクリート造の架構についてご説明します。

鉄筋コンクリート造の架構形式

鉄筋コンクリート造は、架構の形式によって大きく2種類に分けられます。ラーメン構造(フレーム構造)と壁式構造です。

それでは、ラーメン構造から見てみましょう。

ラーメン構造とは

日本建築学会

ラーメン構造とは、梁(はり)と柱で⾻組みを作る⼀般的な架構形式です。オフィスや学校建築などでよく⾒かけます。

建物の強度を高めるために、ラーメン構造の柱と梁と壁を一体化させる(耐震壁とする)場合もあります。

壁式構造(モノコック構造)とは

日本建築学会

壁式構造(モノコック構造)とは、壁と床のみで梁がない構造です。室内で梁が⾒えないのでスッキリした空間になります。あまり広い空間ができないので、5階以下の住宅に⽤いられます。

マンションでは、ベランダ⾯をラーメン構造、隣との⼾境壁を壁式構造にして、併⽤するケースが多くみられます。

ここでは、ラーメン構造と壁式構造についてご説明してきました。ここからは、鉄筋コンクリートの施工方法による分類を見てみましょう。

現場打ちコンクリートとプレキャストコンクリート

鉄筋コンクリート建物の建て⽅は、大きく2つに分類されます。現場でコンクリートを打つ⼯法と、⼯場で構造部材をつくるプレキャストコンクリート⼯法です。

では、現場打コンクリート工法から見ていきましょう。

現場打ちコンクリート⼯法とは

現場打ちコンクリート工法とは、工事現場で直接生コンクリートを流し込んで固める工法です。

町の中を⾛るコンクリートを運ぶミキサー⾞を、一度は見たことがあると思います。ミキサー⾞は、コンクリート⼯場で配合された⽣コンクリートを練り混ぜながら現場に運びます。

この流動性のある⽣コンクリートを、工事現場でポンプ⾞を使い型枠の中に流し込んで固めます。これを現場打ちコンクリート⼯法と⾔い、⼀般的に⾏なわれている⼯法です。

では、プレキャストコンクリート工法とはどんな工法なのでしょうか。

プレキャストコンクリート⼯法とは

プレキャストコンクリート工法とは、工場で配筋・打設して固められた鉄筋コンクリートの柱や梁、壁を工事現場に運び、組み立てる工法です。⼤規模建築に良く使われています。

⾼層マンションの場合、型枠を下から組み上げて現場打ちコンクリート工法を使うと非常に長い工期がかかります。しかし、プレキャストコンクリート⼯法を使うと工事現場でコンクリートの強度が出るのを待たなくてよいため、短工期で施⼯が可能です。

⼾建て住宅では壁をプレキャストコンクリートにするケースもあります。プレキャストコンクリートは重たいため⼤型クレーン⾞で部材を楊重するので、目の前の道路にクレーン⾞を置くスペースが必要です。

プレキャストコンクリートは⼯場で製造するので、通常のコンクリート強度の10倍の⾼強度コンクリート部材も⽣産可能です。⾼強度コンクリートにすると部材断⾯が⼩さくなり、居住スペースを広くすることができます。

ここまでは、鉄筋コンクリートとは一体何なのか、概要についてご説明してきました。ここからは、鉄筋コンクリート建物のメリットについてご説明しましょう。

鉄筋コンクリート建物のメリット

鉄筋コンクリートの建物にはメリットが5つあります。耐久性が優れている・耐火性に優れている・遮音性が良い・気密性が高い・設計の自由度が高い、の5つです。順番にご説明します。

耐久性に優れており耐⽤年数が⻑い

鉄筋コンクリート造の建物は耐久性が⾼く、法定耐⽤年数は47年です。これは鉄⾻の法定耐⽤年数34年、⽊造の22年に⽐べて⻑くなっています。

国の税務上の解釈である法定耐⽤年数は、実際よりも低く⾒積もられています。適切なメンテナンスを⾏えば、100年以上持たせることも可能です。

国の方針として、従来の住宅を20〜30年で建て替えを⾏うスクラップ・ビルド型の社会から、適切なメンテナンスをして⻑く使うストック型社会への転換を図っています。そうした意味でも、鉄筋コンクリート建築は今後注⽬されていくことでしょう。

耐⽕性に優れている

鉄筋コンクリートは、⽕事の時1000℃の炎に2時間さらされても倒壊はしません。⼀⽅、⽊材は260℃で発⽕を始め、1000℃に達すると燃え落ちてしまいます。鉄⾻造も540℃で変形が始まり、900℃で崩壊します。そのため、鉄筋コンクリートは火災に強いです。

鉄筋コンクリートの建物は、柱、壁、床などの主要構造物が全てコンリートで造られているため、建築基準法では耐⽕建築物としています。

耐⽕構造であるため、室内で⽕事が発⽣してもコンクリート壁があると建物全体が延焼することはまれです。マンションで1住居が⽕事を起こしても部分的な⽕災にとどまり、再使⽤もできます。

⽕災時の建材から発生する有毒なガスも、構造体が燃えることがないので低く抑えられます。

遮⾳性に優れている

鉄筋コンクリートは遮音性に優れています。なぜなら、建物の遮⾳・防⾳効果は素材の重量が重いほど高く、コンクリートは重いからです。

マンションなどの共同住宅では⽣活⾳をめぐるトラブルが発⽣することがありますが、床や壁を⼗分厚くするなどして音漏れを減少できます。

気密性が⾼い

鉄筋コンクリート造の建物は、構造体で密閉されて隙間がないため、気密性が⾼くなります。

気密性が高いため外気が部屋に侵入しにくく、外気温の変化に対して室内の温度変化を緩和できるので、年間を通してエアコンなどのエネルギー消費量を低く抑えられます。

鉄筋コンクリート住宅では⽊造と⽐べると、光熱費が安く済むのは⼤きなメリットです。

設計の⾃由度が⾼い

鉄筋コンクリート造は、型枠を使って⾃由度が⾼い空間を実現できます。

なぜなら、鉄骨や木造と違って生コンクリートは液状であり、型枠の形に合わせて好きな形状のコンクリートにできるからです。

柱間隔は10mまで可能で⽊造よりも空間を広く⾃由に構成できます。

ここまで鉄筋コンクリート建物のメリットについて述べてきました。メリットがある分、デメリットも存在します。では、そのデメリットについてご紹介します。

鉄筋コンクリート建物のデメリット

鉄筋コンクリート建物には⾮常に多くのメリットがあります。しかし、全ての⾯において優れているというわけではありません。

ここでは鉄筋コンクリート建物のデメリットについて5つ説明します。

現場打ち⼯法では⼯期が⻑くなる

現場打ちコンクリートの場合、鉄筋の配筋、型枠の製作に時間がかかります。

コンクリートを打設した後も強度が出るまで養⽣するのに時間がかかり、⼯期が⻑くなります。

広い空間に適していない

鉄筋コンクリート造の建物は柱のスパン(間隔)が10m以下が多く、スパンが⻑くなる時はプレストレス(コンクリートを圧縮して変形を抑制する)を導⼊します。

⼟⽊ではプレストレスを導⼊した10m以上の⼤径間の橋がありますが、建築では⻑いスパンにするとコストが上がるので鉄⾻造にするのが⼀般的です。

現場打ち⼯法では構造物の品質が施⼯の良否に影響されやすい

鉄筋コンクリートの現場打ち⼯法では、配筋、型枠⼯事を現場で作業員が施⼯するため、作業員の技術⼒のばらつきが品質性能に影響します。最近では配筋⼯、型枠⼯の⼈⼿が不⾜しているのも問題です。

プレキャストコンクリート⼯法の場合は、⼯場で作るので品質管理がしやすく、性能のばらつきは少なくなります。

⼾建住宅では⽊造より重量が重くなる

鉄筋コンクリート造は、⽊造と⽐べて建物全体が重くなるので基礎が⼤きくすることが必要です。

地盤が柔らかいと、杭を打ったり地盤改良をしてコストが増加します。

住宅では結露が出やすい

鉄筋コンクリートの気密性の良さは、結露が発⽣しやすいというデメリットでもあります。

⽊造住宅と較べて、換気を⼗分しないとカビなどが発⽣しやすいです。マンションでは、換気⼝が設置されていますが、24時間換気システムにして、結露を防ぐこともできます。

まとめ

この記事では、鉄筋コンクリート造とは一体どんな構造なのか、建物のメリット・デメリットをご紹介しました。

鉄筋コンクリートは、鉄⾻とならんでビルやマンションの建築に⽤いられます。

鉄筋コンクリート建物は耐久性、耐⽕性、遮⾳性が優れている反⾯、現場打ちでは配筋、型枠⼯事があるため⼯期が⻑くなります。しかし、プレキャストコンクリート⼯法を⽤いると、⼯期の短期化、建物⾼さの⾼層化が可能です。

ここで説明した鉄筋コンクリートの特徴が、これからの建築計画のお役にたてば幸いです。

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