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CM方式とは?

CM方式とは

CM方式とは、コンストラクション・マネジャーが、発注者や設計者と一体となって当該プロジェクトを運営管理する方式のことです。CM方式はアメリカで確立されました。

CM方式の主たる目的は、プロジェクトの工期遅延、予算超過などを防止するためではありますが、昨今の技術革新により、職能分化や機能分散が進んでいるため、発注者、設計者及び施工者をそれぞれに調整することよりも、プロジェクトの全容をより統合的にマネジメントすることに重きがあります。さらには、社会的にコンプライアンスや情報公開などの認識が高まってきているため、より透明性の高いプロジェクトを遂行するために、発注者側からのニーズが高まっています。

従来のプロジェクトでは、受注者である「設計者」や「施工者」といったものが、直接マネジメント的役割を担っていましたが、先に挙げたコンプライアンスや透明性の課題から、第三者である専門職いわゆるコンストラクション・マネジャーにそれを担ってもらう必要が出てきました。コンストラクション・マネジャーがマネジメントするプロジェクトをCM方式と呼んでいます。

国土交通省のガイドライン

国土交通省では平成12年12月に「CM方式研究会」をスタートさせ、パブリックコメントの募集も併せて、平成14年2月6日、「CM方式活用ガイドライン」を策定しました。

”CM方式とは、発注者の補助者・代行者であるコンストラクション・マネージャー(CMR)が、技術的な中立性を保ちつつ、発注者の側に立って、設計・発注・施工の各段階において設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、法令遵守などの各種マネジメント業務の全部又は一部を行う方式です。CM方式を活用することで、発注者の体制・能力の質的・量的補完を図ることができます。発注者の実情により補完すべき事項は異なりますので、CM方式の導入は小規模事業であっても可能です。”
(CM募集パンフレットから抜粋)

出典:CM方式活用ガイドライン-国土交通省

主なCMRの業務

出典:CM方式活用ガイドラインについて-国土交通省

<設計>
・設計候補者の選定評価
・設計の検討支援
・設計VE
・施工スケジュールの提案
<発注>
・発注区分・発注方式の提案
・施工者の公募・評価・選定
・工事評価価格算出
・契約書類の作成支援
<施工>
・施工者間の調整
・施工計画及び工程管理
・施工図のチェック
・材料品質管理のチェック
・労働者や材料の発注のチェック
・工事費支払管理
・コスト管理
・発注者に対する工事経過報告
・書類管理
・クレーム対応
・検査立会
・引渡し業務
・業務報告書の作成

その他、発注者のからの求めにより、内容が追加されたりまた削減されます。これらは協議により採択し、契約で具体的に定められます。

海外での実績

・アメリカ
1960年代より民間工事で活用されてうて、広く普及しています。工事の発注方式としてメジャーな方式です。公共工事でも広く採用されています。
・イギリス
民間工事では広く普及しています。公共工事でも一部活用されています。
・フランス
民間工事で一部採用されています。
・ドイツ
民間工事で一部採用されています。

CM方式の生まれたアメリカでも、CMの定義を固定して定めているのではなく、柔軟に解釈されています。いわば、建設プロジェクトのすべての段階に適応可能な専門的マネジメント技術として認識されています。つまり、特定の入札・契約方式ではありません。時代やニーズに合わせて常に変化する新しいプロジェクト実施方式と言えるでしょう。

CM方式のメリットとデメリット

メリットとしては、発注者側からはコンストラクション・マネジャーによる技術的な助言・指導により工事の品質を確保できます。事業全体を最適化することができます。つまりはコストダウンにもつながります。施工者側からすると現場の施工管理がスムーズに行え、効率的な施工ができます。

<発注者側メリット例>
・地元業者にできない技術提案を行える。
・コスト削減できる。
・発注者の指示事項を的確に整理し、各施工者に周知・指導できる。
・工事の品質が確保できる。
・CMRが打合せに同席することで、協議事項や質疑応答についての確認・支援を得ることができる。
・施工者からの意見だけでなく、CMRの意見も参考にできるため、発注者は適切な判断・意思決定ができる。
<施工者側メリット例>
・設計施工上の不具合がある場合、設計者とCMRで調整してくれる。
・現場の施工管理がスムーズに行える。
・地元からの問い合わせの窓口になるなどの支援をしてくれる。
・設計照査を行うことによって設計の整合性が確保され、施工がスムーズになる。
・中立的な立場で、材料や施工の品質確認が行われる。

反面、デメリットとしては、発注者側からは判断・意思決定までに時間がかかること、発注者の技術習得が低くなってしまうことがあります。施工者側からは打合せ・協議の手間を要する割に、発注者との情報共有が不足してしまうなどが挙げられます。また、CRM個々の技術力に差が見られます。

<発注者側デメリット例>
・CMRに任せてしまうことで、発注者が自ら検討等をする機会が減り、技術習得度が低下してしまう。
・CMR有責による損害賠償を発注者が負うことになる。
<施工者側デメリット例>
・品質証明等の書類を過大に求められることがある。
・CMRを通すことによって、判断・意思決定までに時間がかかる。書類処理も遅くなることもある。
・発注者との意思疎通が測りにくい。情報共有できれば効率的に工事を進められる。

1.技術系職員が恒常的に不足している場合や、災害復旧工事等の短期的に事業量が増大
し又は工期が限られている工事における発注者の体制・能力の量的補完
2.大規模あるいは高度な工事における発注者の体制・能力の質的補完
3.分離発注によるコスト構成の透明化や発注プロセスの透明性の確保を通じたアカウン
タビリティー(説明性)の向上
4.CMを通じた、発注者内技術者のマネジメント能力の向上
5.地域の建設企業・専門工事業者の育成

リスクの取り方

従来の受注方式では、請負者のリスクが大きくなり、その分のコスト負担もありますが、反面、施工者にとっては、利益が出しやすくなります。CM方式では、発注者のリスクの方が大きくなります。但し、発注者がリスクを負担した分だけ、施工者はリスク分のコスト負担が減り、コストパフォーマンスがよくなります。

CM方式では、主に工事費の保証などの工事に関するリスクの取り方によって、「ピュアCM方式」と「CMアットリスク方式」に大別されています。「ピュアCM方式」ではCMRが、設計・発注・施工のそれぞれにおいてマネジメント業務を行います。CMRがリスクを負うことはありません。「CMアットリスク方式」では施工に関するリスクを負います。この場合、最大保証金額を設定することが殆どです。

CM方式導入にあたっての課題

ガイドラインが策定されたとはいえ、まだ一般的とはいえません。トラブルを防ぐためにも、CM方式を導入する場合は、特に以下の課題について検討が必要と思われます。

・CMRの公的役割
・リスク負担と責任所在
・コストの透明化
・CMRに支払う経費
・CMRの選定及び契約

公共建設工事におけるCM方式導入について

公共建設工事においては、技術者不在であっても施工が可能になるため、人事的な不安がなくなり、ニーズが高く、その活用が増えていくことが予想されます。公共工事におけるCMRの活用パターンを以下に予想します。

・設計・発注アドバイス型CMR
設計図書のチェック、設計VE提案、発注区分の提案など。設計・発注段階での発注者へのアドバイス必要とするものをマネジメントします。
・コストマネジメ ント型CMR
コストを分析し工事費を算出します。工事進捗による支払を含め、コストマネジメントします。
・施工マネジメント型CMR
施工図のチェックや施工業者間の調整、品質管理、工程管理などの施工管理をマネジメントします。
・総合マネジメント型CMR
上記のマネジメント業務の全部又は一部を一貫して行います。
・アットリスク型CMR
施工に関するリスクについても負担します。

今後の展開予想

従来は、一括発注方式が多用されていました。主に元請業者(総合工事業者)が施工に関するマネジメント業務を担ってきた歴史があります。今後は、発注者の補助者・代行者であるCMR(コンストラクション・マネージャー)が、発注者の側から中立性を保ち、設計や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などの各種マネジメント業務を透明化するために増えてくると予想できます。
CM方式の導入が進むことにより、発注者にとって建設生産・管理システムの選択肢が増えます。CM方式と一括発注方式は、発注者にとっても施工者にとっても、それぞれにメリットがあります。今後は、そのプロジェクトの規模や目的に応じて選択することによって、共存が図られるでしょう。

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